高品質なテクノアルバムを世に生み出し続けるRising Sun NovaことRazunaさんの新作。
ひたすら四つ打ちなテクノ/ハードミニマル。
リズム重視にストイックに展開しながら、音色の種類が多くて飽きさせない面も併せ持つのがRazunaさんらしい。音の触感に無機質感をほとんど感じません。素晴らしい音作り!
アルバム構成が、最初からトップのテンションまで巻きあげて→リズムに酔わせ→ウワモノに酔わせ→フィナーレを迎える、としっかり作りこまれてて身体も精神も刺激しまくり。 とはいえ現時点で同人音楽におけるテクノの最高峰と言える一枚であることは間違いなし。クオリティ半端無い! ---- Aバウンシーなリズムのミニマルテクノ。リズムのアクセントが頭のキック、裏のハイハット、2・4拍子目のシンセ、4拍子目のシンセコンガ……と「ズレ」ていくことで、リスナーの「ノリ」の隙間に巧みに入り込みながらビート中毒にしていく。 C少しトランシーなシンセがアルバムのアクセントに。コードが動きそうでなかなか動かない焦らしプレイが癖になる。最終的にフレーズが大きく動くことはなく、エフェクトやリズムの足し算で盛り上げていく。4分ハイハットから始まるラスト30秒の迫力ある展開が見もの。 D前曲の勢いを受け継いでストイックなビートを繰り返すトラック。ちょいトリッキーなハイハットの入れ方がたまらん!ここらへんから神経がリズムに侵されトランス状態に入っていきます。身体を揺らさずにはいられなくなってくる。今作で一番好きな曲です。 Eパーカッシブなミニマル。規則的なベーシックのビートにグリッチの効いたSE的なパーカスが絡んでくる。リズムによる脳汁エリア。次の曲からはウワモノによる脳汁エリアへと切り替わっていきます。 H未確認飛行物体が飛んでいるかのような高音シンセがヒュンヒュンと飛び交うトラック。久しぶりの高音で頭がスッキリしたかと思えば、ギチギチと刻むリズムがクライマックスへ向けて盛り上がっていく。 Jここにきて異質曲。キックは相変わらず四つ打ちで鳴り続けながらも、シンセがニュースタイルガバのような拍をズラしたリズムに。終盤の雰囲気。 Kそしてラストは、ストリングスが耳に残るオーガニックなテクノトラック。初期作品を思わせるメロディアスなテクノでスッキリした聴き心地を最後に残してくれる。あれだけガチなテクノが続いた終末点にこの開放感は反則級です。
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ガチなテクノでありながら音色の豊富さとCD展開の技巧により、とても聴きやすい一枚。
冒頭で書いたように今作は「純粋なテクノ」をキーにしたアルバムかと思われます。 |