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ラララ終末論
サークル sasakure.UK
元ネタ オリジナル、ボカロ
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sasakure.UKさんのボカロCD。

色々な曲調を作るsasakureさんらしくジャンル分け不可能な曲群。それでもポップス、ラウンジ、アートコア、チップチューンあたりをミックスしたsasakureさん独自のカラーは放出されまくってる。HappY PoPcorNでcuty beatsでUNIVERSEでJungleArtな、かわいらしさと素朴さを持ちながら且つ壮大な曲調。

ボカロは空だと歌詞が聞き取りにくい使われ方で好みじゃないなぁと思っていたのですが、ときにキャッチーに、ときに変則組曲的に、ときに切なく、ときに楽しげな曲にズブズブとハマっていきました。ボカロも気にならなくなった。
超本格的な音作りというよりは、曲構成のアイディアや天性のメロディセンスが光ります。
曲はかわいらしいけど歌詞はシュール/切なくて少し暗いものが多い。まさに「ラララ”終末論”」というCD名がそのまま表現されています。比喩や言葉遊びを最大限に使った考えさせられる歌詞は素晴らしいのひとこと。一言一句に意味があるのでは無いかと深読みしたくなります。

そしてなにより今作はコンセプトアルバムとして秀逸だということをプッシュしたいです。
ファンタジーと現実をリンクさせた「フェアリ・テイル」と終末を軸に話が展開していく「終末」をコンセプトとした楽曲が交互に収録されています。
「終末」の曲達がコンセプトアルバムとして素晴らしい流れを生み出しています。特にF「ワンダーラスト」→H「*ハロー、プラネット。」と続きラストに用意されているL「エピローグ・ラララ終末論」への流れは鳥肌モノです。さらに一度聴き終えてもう一度CDを再生すると思わずハッとさせられる部分があって衝撃でした。
それゆえI〜KのゲストリミックスがCDの流れを悪くしているとも思ってしまう。

@後の曲のメロディを使った短いインストトラック。なるほど、そういう意味か。感動した。
Aかわいらしいスウィング&ジャジーな曲。サビの『トントン♪トントン♪』が耳に残る。アルバムの始まりとしてはかなり癖の強いので、惹きこみとしてはちょい微妙かも。
B軽快なリズムとキャッチーなサビの聴きやすいソフトロック。『週末』と『終末』をかけた歌詞がユニークで面白い。終末シリーズの一曲目だと思うと色々考えたくなる。思わず口ずさみたくなるサビが好きです。
Cエレクトロニカ経由のポップス。漂うAメロから突き刺すような切ないメロディのサビへと転がり込むのが快感。このサビがまた良いメロディなんだ。オケ風のスネアが入ってどんどん盛り上がっていく終盤に引き込まれる。
D変則的なリズムの楽曲。勇ましいメロディとピコピコした16bitサウンドが意外にも合っている。
Eピアノメインのビートレスな曲。しんみりしたバラードではなく「突然、君が浮いた」という曲名通りの不思議な感じのするトリッキーな歌モノ。これも歌詞が秀逸。シュールな設定がこう生きてくるとは思わなんだ。
F今作ひとつめのヤマバ。次々と展開していく壮大な曲。ピコピコサウンドだけどすごくドラマチック。後半の大サビの破壊力が半端無い。そのあとちょいノイジーになって感動のラストへ。涙無しには聴けない名曲。今作で一番好きな曲です。
Gまったりバラードポップ。前後の曲が強烈なんでいまいち印象が薄かったり。
H『オハヨーハヨー』のコーラスが印象的なポップス。元気なサビに思わず笑顔がこぼれる。良メロディです。実は歌詞が超切ない&深い。ぜひニコニコで公開してるPVを見ながら聴いてほしいです。泣くだろう、これは。
L本作の締めであるタイトルトラック。アルバムが最後の最後でひとつの形になる。この演出はうまいのひとこと。他の曲があってこの曲が意味を成す、コンセプトアルバムとして理想的な流れです。聴いたあとはひとつの大作映画を見たかのような満足感があります。

普通に楽曲レベルは高いし、コンセプトアルバムとしての完成度もすごい!
ボカロ苦手を公言してる自分でも思わず「最高!」と唸ってしまう傑作です。今まで聴いたボカロアルバムの中では一番気に入っている。
なによりもCDタイトルが良いですね。ポップだけどどこか歪んでいる、終末を感じながらもただ暗いだけでは無い。「ラララ終末論」というタイトルはそんな空気をぴったり表現していると思います。
sasakureさんがサイトに「普段ボカロを聴かない人にも聴いてもらえたら」と書いてますが私も同じ想いです。

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