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メイドさんグラインド4
サークル 堕武者+ultraviolence+
元ネタ オリジナル

グラインドコア、ポルノグラインドで同人音楽界を暴れまわる堕武者+ultraviolence+のオリジナルアルバム。
前から興味はあったサークルだけどしっかりと聴くのは今回が初めて。サイトにライナーノーツあり。

絶叫と汚いギターのグラインドコア。リズムは打ち込みでジャンクっぽい雰囲気もあります。
言葉が聴きとれないレベルでわめく金切り声ボーカルはかなり強烈。ドーパミンを分泌させてくれる快感の塊のような叫びで大好きです。

サウンドスタイルやグロいジャケから、ただ暴走しているようなイメージを持つかもしれませんが、音を聴いてみると実はむちゃくちゃ器用で計算高い人達な気がします。
ただオーソドックスなゴシャグシャとしたグラインドコアで突っ走るだけでなく、適所にSE、ピアノ、シンセを配置してフックにしたり、発狂とキャッチーをうまく使い分けたボーカルを聴かせてくれたりと小技が効いてる。
ドロドロ感はあまりなく、スッキリした聴き心地です。これは日本人ならではのグラインド/ノイズだ。

似た曲ばかりになりがちなこのジャンルで各曲がしっかりと個性を持っています。
3秒未満のナパームデス・リスペクトなトラックも良いアクセントになってる。

またネコミミにキモいと言い放ったり、8bit好きを叩いたりとオタの常識を逆手に取った攻撃的な歌詞も聴きどころ。
グロテスク、ジャンクをうまくエンターテイメントに変えている。
これは良い作品だ!

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@「堕武者さん♪堕武者さん♪」と盆踊りのような歌でスタート。盆踊りリズムと軽いノイズに合わせて人を小馬鹿にしたような歌が続く。そして、突如Aの絶叫(カッコイイ!)へと繋がり、わめき散らす。わかりやすいトラックで掴みはOK。

BSEのデスマーチっぷりを歌ったグラインドコア。お祭りっぽい電子カウベルが入るのが良いフックになってます。

Cロリ声でアピールする後ろで「KIMOI」のマシンボイス。そしてブラストビートと絶叫の嵐へと雪崩れ込む。キャッチーなリフとサビでノリやすい。

Dグラインド + ジャンクな音と共にシンセオルガンも顔を出す。暴走と神々しさのぎこちない融合が気持ちいい。

Hまたもや登場のロリ声でエロいセリフを喋らせてから超速ビートで爆発するポルノグラインド。癖になる声ネタSE。ここらへんのフックの持たせ方が本当に上手いです。

I明確なリフを刻むノイズギターと不安を煽るピアノが印象的なトラック。「守るべき人権がないなんて 嫁呼ばわりした女性達に お前はそう言うんだな」とよくある二次元ポルノ議論を痛烈に批判する歌詞がショッキング。そしてアニメ声で「いつも一緒に居ようって言ってくれたよね なのに”お前はただの創作物”なんて……」とキャラが語りかける。ちょっとコレは衝撃でした。すげー切り口だ。曲としても途中でジャジーに展開したりと素晴らしい。暴走・爆発が無くても普通に良曲が書けるのがわかります。今作で一番好きな曲。「目を泳がせる日和見主義共」のフレーズが癖になる。

Jショパン(だっけ?)のクラシックピアノが2分ほど続き、ノイズと絶叫が乗ってくるジャンクサウンド。ライブとかなら映えそうだけど、CDではここまで続いていた勢いが途切れるのがネック。

Lダンスミュージックっぽいべースにドキッとするも一瞬にして絶叫して締め。13秒。

Mインダストリアル寄りのV系っぽいリフの上をマイクパットンばりの奇声/下水道ボイスがのた打ち回る。終盤はキャッチーなシンセも入ってくる。中期Buck-Tick meets ゴアって感じ。良い。

OAVの喘ぎ声サンプリングで始まるポルノグラインド。もはや振動波になってる汚いベースがグラインドらしい。

P暴走ジャンク・グラインド。ナイス奇声 on ラスト。

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爆発物のような危なさを持った強烈な一枚。
ただの危険物では終わっておらず、火薬を使ったバイオレンス・エンターテイメントとしてかなり高レベルな作品です。
刺激とキャッチーの絶妙なバランス。中だるみを打ち消しているSE等。絶叫がこれだけ充満しながら聴きやすいってすごいことです。

エクストリームが苦手な人でも……とまではさすがに難しいかもしれませんが、グラインドが苦手でもデス、カオスティック・ハードコアとかならイケる人なら十分楽しめる。

個人的にかなり当たりな作品です。また追っていきたいサークルが増えた!

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