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過去に出したハードコアな異色作「 OVER KILL」をリプロデュース。簡単なリメイクではなく、新曲同然に変化した曲や完全新曲を収録。
前ver.は初期衝動を感じる荒々しい一枚で普段のrazunaさんとは違った側面が聴ける一枚でした。しかし、今回は基本的に音が歪んでいる攻撃的なサウンドであるのは変わらないものの、得意の知性的な要素が追加。結果ハードコアCDとは思えないほどのストーリー性が生まれ、一連のコンセプトがある作品に生まれ変わりました。
世界観はSTGのアインハンダーっぽいなぁと個人的に思った。近未来的で、攻撃的で、機械的で、終末的なスチームパンク。
前ver.が「勢い」で突っ走るショートフィルムだとすると、「引き」や「展開」も押さえた今作は映画と言える。
ハードコアながらそれなりにメロディアスなのでとても聴きやすい。文句無しにカッコイイっす。何度もリピートしてる。
@印象的なシンセに合わせて打ち鳴らされる歪んだキック。サイバーなシンセが追加され、知性的な雰囲気が加わってます。
A勢いそのままに2ndトラック。リズムがシンプルになり、ノイズ一歩手前の声ネタが追加されることでノリがストレートになっている。
Bケミブラが使いそうなビートが追加されてロッキンになった3曲目。ってかコレって前作の7曲目に使われてたビートだな。このリズム大好きです。お気に入りの一曲。
Eヒップホップビートだった6曲目がテクノへとチェンジ。リズム少なめでアルバムの「タメ」になる曲。
G前3曲からジワジワとアゲてきたここでrazunaさんの武器であるインテリジェンスなフレーズが登場。アルバムはクライマックスへと更に向かっていく。
Hほぼリズムオンリーだったラストトラックがシンセを入れまくりほとんど違う曲に。
I新曲1。声ネタ付きのハイスピードテクノ。4つ打ちとブレイクビーツのバトルが激しい。疾走感溢れるマッシヴ・チューン。
J新曲2。空間的な広がりのある知性的なトラック。中盤で「一曲目」のフレーズが出てくるのが鳥肌モノ。このギミックにはやられた!この瞬間に今作がお気に入りの一枚になると確信しました。「ループ」するウワモノに合わせて世界が沈む情景が目に浮かぶドラマチックな一曲。締めに相応しい素晴らしい名曲です。
表現力豊かなハードコア・テクノサウンド。他ではなかなか聴けない独特の音です。
野蛮な攻撃性は前ver.のほうが上ですが、トータルで聴いたとき満足感は今作の方が大きい。スルメ度もアップ。
ほぼ一新されているんで前作を持っている人も手に入れておくべき。
最後に見えるのは希望か、終末か、はたまた繰り返される悲劇か。
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