フルボーカルのオリジナルCD。7曲入り。

超個性派コンビのM3 2009秋の新作は、前作にあったフォーク要素を押し進めたような内容になっています。

都会的なクールさを包容した楽曲群は普段よりストレート。
しかし、そこに絶妙なスパイスとして”濱春色”が入り、ものすごく面白い曲達が並んでいます。
全曲が個性的かつ中毒的。グッとくるメロディも多いです。

またNinaさんも成長目まぐるしかった前作から、更に磨きが掛かっていてすごいレベルにまで達しています。ブログを見るにNinaさんはゴスペルとかも歌うみたいですが、そこで磨かれた歌唱をポップスというフィールドにうまく合わられせるようになってきたのではないでしょうか。

もはやある種の誤魔化しを奇天烈な空気で効かせなくても、純粋に良い曲を書ける/奏でる事ができるようになってきた結果が今作じゃないでしょうか。曲の安定感はデビュー作から比べ物になりません。良作！

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�@ちょいホラーテイストも入った神々しいイントロトラック。バロック調のオケにNinaさんの突き刺さるような高音が被さる。すげー声してます。感動。禍々しくも神秘的な怪しさ抜群の入り口。変にオタっぽくないのも良い。そして流れるように次曲へ。

�Aダークな歌モノ。どことなく「たまてばこ」っぽいかな。がっしりと下を支えるベースが印象的。ポップさは皆無のハズなのに不思議と聴きやすいです。

�Bフォークロック調の曲。視聴で聴いた時、今までにない曲調とそのクオリティの高さに驚かされたのを覚えています。フォークギターが最高にクール！歌い方もいぶし銀で惚れてしまいそうです。変化球なしに純粋にカッコイイ！

�Cジャジーで楽しげな曲。テンポの良い伴奏に80's歌謡曲のような歌メロがマッチしていて、聴いててウキウキしてきます。

�Dメリーゴーランドで流れそうなマーチ曲。半インストでパッと聴き流してしまいそうだけど、さりげなく凄い高音で歌ってないか、コレ？エフェクターをかけていない予感がするのが末恐ろしい。Ninaさんの歌い手としての成長には目を見張るものがあります。

�E大人な雰囲気のジャズ歌謡。アーバニズムを感じるメロディが良いです。サビ頭の『摩天楼〜♪』の上がり方が気に入った！

�Fフォークバラード。濱春さんはいつもバラードで締めてくるのですが、この曲はその中でもトップレベルの出来。穏やかなギターに適度な電子音が混ざり合い、優しくも力強いNinaさんの歌声が脳の奥まで届く。素晴らしい！
今までになく前向きな歌詞と心温まるメロディとのブレンドがグッときます。泣ける〜。この歌詞に出てくるのは親子なのか、伴侶なのか。今作で一番好きな曲です。ラストのハミングとか…もう、最高！

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フォーキーで、アーバンで、シニカルで、個性的なポップス。
初期の魅力を無くすことなく、曲は良い意味で落ち着きを持ってきている。純粋に音楽クリエイターとしてどんどんレベルアップしていて、「次はどうくるのだろう？」と毎回新作を楽しみにさせてくれます。