|
|
現代音楽系ミニマルサークルのオリジナルアルバム。
弦楽器を中心としたアコースティックなミニマル。
テクノ要素の無いガチなミニマルミュージックですが「Abstracts」などの過去作に比べると、トリッキーな展開、フレーズが少なくてそこそこ聴きやすいです。
冬をイメージした旋律はただただ美しく厳粛。ストリングスの美しさとミニマルの奇妙さがなんとも言えないバランスで成り立っている。
伸びやかな曲と反復曲が良い曲順でやってくるのも取っつきやすさアップに貢献してます。まぁ、それでも後半はややダークでちょい玄人好みですが。
同じく弦楽器主体のミニマルだった「GUITAR SCAPE」と比べるとよりクラシック寄りでバイオリンがメインを張っています。
音の綺麗さは相変わらず界隈でもピカイチ。M3初期から活動していままで養ってきた技が遺憾なく発揮されています。新規加入したボーカルの石川三十三さんが、まるで前からいたかように自然に溶け込んでるのもポイント。
@伸びやかなバイオリンが紡ぐオープニング・ナンバー。冬の朝のキーンとした冷たさを感じます。音が綺麗だなぁ。
A穏やかなギターループが心地よい。音色がギターからストリングスに変わる瞬間が好き。心休まる一曲。
Cライヒ系の鉄琴ループが耳に残る。いやー、こういうフレーズ大好きだ。音の重ね方とかさすがと言いたくなる。同じフレーズをどうやって展開させていくかが楽しい。まさにミニマルな曲。
Eちょいトリッキーなフレーズによる現代音楽曲。よくこんなフレーズで曲を構成できるなぁ。
Fバイオリンによるミニマリズム。今までに何度か出てきたフレーズが顔を出すことで良いフックとなってます。これが今作のテーマかな?
G石川三十三さんによる声のみの楽曲。ハスキーで透き通った声が何重にも重ねられて神秘的な空気を作り出している。このボーカルさんはサークルのイメージにすごく合ってます。
I突き刺すように高音のバイオリンと低いバスのアンマッチがただならぬ緊張感を生んでいる。時折いたずらをするようにピアノも不穏なフレーズを奏でることで妖しい空気が充満しています。
Jラストは魔女の館でも登場しそうなダークな曲。うーん、Label I.O.Sさんらしい終わり方。ただ、中盤からの展開には微かな希望も見える。
現代音楽寄りのミニマル。
ポップネスとはかけ離れた音ですが、不思議と聴き難さは無い。綺麗な音と旋律のおかげかな?適度にミニマルで、適度にクラシカル。ものすごく印象的な作品というわけでは無いですが、BGMに聴くと良い感じ。
|